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トモニ療育センター本の紹介Book Order

講演・講義資料

2018年版「発達障害の子どものための 心を育て 生きる力をつける 個別課題学習」381頁

3,000円 在庫なし

2012年7月、岡山算数指導講座のために講演・講義資料集として、「自閉症スペクトラム児のための心を育てる育児と教育」を製本いたしました。その後、6年が経過しました。その間、自閉症の子どもたちとご家族の幸せな人生を願い、子どもたちのわかりづらさに向き合って、教材の工夫や指導の工夫をして参りました。この度、私たちのこれまでの経験や実践や学びが少しでも役に立てばと、あれこれ詰め込み、連続講座のテキストとして、2018年版「発達障害の子どものための心を育て生きる力をつける個別課題学習」を製本いたしました。

前書きから転載

私の息子には自閉症という発達障害があります。その子育てには知識だけでなく、観察力、洞察力、実践力、諦めないで継続して取り組む意志の強さ、健康が必要でした。誰にでもできるような子育てではありませんでした。困難を極めました。

1994年 高橋知惠子先生と二人で開設したトモニ療育センターは、困り果て疲れ切って希望を失いかけている瀕死の母親たちを何とか救いたくて、共に生きていこうと決意してスタートしたのでした。

無知は不幸である。無知であっては幸せにも豊かにも生きていけない。母親たちが、知識ある愛をもって、適切に行き届いて、楽しみながら喜びながら子育てできるようにと、今も変わらぬ熱情と祈りを込めて、母親のための勉強会や個人セッションを通して、母子と共に歩んでいます。

認知機能の障害があり、コミュニケーションがとりにくく、学習態度が整わない自閉症の子どもには、なかなか必要な教育が取り組めていません。勉強を嫌がり、泣いて拒否する子どもに向き合うには、その子を救いたいと願う強い念が必要です。母親にはその念があります。

仮説から多くの罪深い療育がなされた歴史があります。トモニ療育センターでは、既存のあらゆる療育法から学びつつも仮説に惑わされないで、臨床を重んじています。重度の子どもの解りづらさから生まれた教材と学習方法によって、どの子も安心して前向きに喜んで学んでいます。生活していくために必要な数字100並べとタイル算の課題学習は、私たちと子どもとの「こころの懸け橋」にもなっています。それは家庭では母と子の「こころの懸け橋」となり、施設では支援員と利用者の「こころの懸け橋」となって、信頼して希望をもって共に生きる喜びと豊かさとなっています。

想像力が弱い高機能自閉症の子どもは高学年になると算数の学習についていけず、苦しむ子どもも出てきますが、トモニ療育センターのタイル算による掛け算、割り算、分数、小数、割合、比例、面積、体積、図形の指導は、具体的で、算数の理論と面白さを実感させ、豊かな日常生活へと導いていけています。様々な箱を製図して作品にすることで、幾何学の理解を深め、手も磨かれています。また、算数は料理に活かされ、家族からも感謝され、いきいきと喜びをもって家庭生活を送っています。家庭で役立つ存在となっている人には就労の夢もひろがっています。

この指導法は、自閉症スペクトラム児にだけでなく、高度難聴児、きょうだい児(幼児)、施設で暮らしている自閉症の人達にも理解でき、日々の生活に役立っています。今回の2018年版は、連続講座のための講義・講演資料として作りました。基礎学習の部分に、大切だと思う個所をどんどん膨らませ、写真やカラーの図もふんだんに取り入れて、イメージしやすいようにしました。母親たちだけでなく、学校の先生、幼稚園・保育園の先生、療育施設や入所施設の支援員の方々など、様々な立場の方々に役立てていただきたけたら、嬉しく思います。

2018年6月
トモニ療育センター
河島淳子

あとがきから転載

学生時代に「自閉症」の子どもに出会って以来、50年の月日が経ちました。今考えると本当に無知で、自閉症は「情緒障害」の子どもたちだと思っておりました。
1992年11月、河島淳子先生の講演があり、子どもたちの問題行動やパニックは生半可な認知によるものだという言葉に衝撃を受けました。そして、先生の「無知は罪である」という言葉は、当時「プレイセラピー」という名の下に子守をしていただけの自分を恥じました。「知的な面だけでなく、身体の使い方、発声の仕方、あらゆるところにわかりづらさ、悟りづらさ、コツの掴みにくさがある」というお話は私の出会った自閉症の子ども達を思い浮かべて納得しました。私たちと同じだ!彼らは決してよその星の子ども達ではない!"認知の障害"を持っているけれども、方針を持って適切に療育することで発達していけるのだと思いました。

自閉症の息子さんが縫われたジーンのズボンを見せてくださりながら、「作図を書いて仕立てられるようになったのは、"3個"が分かるのに4年もかかった子どもに教育してきた成果なのです」、「最高の教育こそが自閉症の子どもとその家族を救う」と語られました。また、タイル算で算数指導をし、療育の土台に山歩きをしたことを伺い、河島先生の下で学びたいと思いました。実は、高校時代に水道方式の算数を学び、大学時代はワンゲルで山を歩いていたので、先生の素晴らしい療育との共通項を見いだして嬉しかったのです。そして、お願いして、当時母親のために開催されていた勉強会に参加させていただくようになりました。

1994年6月、トモニ療育センターを開設された河島先生の指導の下に自閉症の子どもたちに向き合ってきました。いつも緻密な観察と深い洞察で子どもたちを把握し共感を持って理解すること、教材や指導に工夫をして、心の育ちに気を配って教育していくことで、子どもたちは逞しく、心豊かに育っていくと実感するようになりました。

自閉症の子どもに魅せられて療育に取り組んできて25年目となります。小さい頃は、大泣きしたり、喚いたり、大騒ぎしたり、大暴れしていた子ども達が、今も挑戦を続けながら、好ましい青年たちに育ってきているのを見ると、喜びが溢れます。

家庭療育に取り組み始めた頃は、子どもに振り回されて大変だった母親のどの方も、知識を得て方針を持った適切な育児と教育ができるようになり、どの子も家族や周りの人達と共に幸せに生きていけるように育ってきています。家族の「重荷」はいつしか「宝物」となってきています。

発達障害のある子どもたちの育児と教育に携われたことによって、私はいつも多くのことを学ばせてもらい、励まされてきました。

2012年版の「自閉症スペクトラム児のための 心を育てる 育児と教育」を出版以後も、教材や指導の工夫を日々重ねてきましたが、このたび個別課題学習の取り組み内容を充実させて2018年度版を出版することになりました。まだまだ未完成品ですが、多くの発達障害の子どもたちの育児と教育の実践に役立つものと願って作りました。6月初めに、出版された"発達が気になる子の「できた!」が増えるトレーニング"(翔泳社)と併せてお読みいただくと、よりお役に立てると確信しております。

今、改めて「どんなに障害が重くても学んでいける! 未学習のまま成人させてはならない」と強く思います。子どもたちの可能性に期待し、挑戦し続けて参ります。

心からの感謝をこめて
2018年6月8日
トモニ療育センター
高橋知惠子

よりよい育児と教育を求め続けて トモニの実践 218頁

3,000円

幼児期からどのように考えて子どもを育てていけばよいかが書かれた、療育の書です。
今年2月10日に急逝しました河島が、最後にまとめた書です。
トモニ療育センターを卒業された画家の石村嘉成さん、翔チャンネルの渡部翔太さん、パラアスリートの山本萌恵子さんなど、十数名の親の手記を掲載しています。
そして、トモニ療育センターを設立する前、養護学校高等部を卒業し、行動障害を抱えた行き場のなかった方のために親たちと「わかば共同福祉作業所」を設立し、そこでの7年に渡る取り組みによって整えていった実践記録を載せています。

前書きより
自閉症児を育てる
─ 家庭でできる取り組み ─

2004年2月14日
河島 淳子

自閉症児は広汎性発達障害児の代表的な存在であり、その多くは知的障害を持ち、社会適応が難しい。
私の息子は1971年生まれ、自閉症である。地域の中で豊かに自由に生きていってほしいと願い、生活年齢と内面の育ちに配慮しながら、パニックや問題行動や学習困難や集団不適応等のテーマに向き合い、二次的・三次的障害をできるだけつけない子育てをしてきた。学ぼうとしない子・認知機能に障害のある子に学ばせるには教材や指導に多くの工夫や努力が要る。しかし、自閉症児の魅力にとりつかれ、その教育に可能性とおもしろさを見いだし、夢中で療育してきた。特に、タイル算による系統的算数指導が彼に生きる力をつけたと思う。

その息子は今32歳(2004年当時)、様々な自閉症の障害特徴は厳然とある。しかし、教育の成果があって、彼は洋裁の教科書が読め、製図ができ、洋服が縫えるようになっている。最近では、知人の洋服を縫わせてもらい、喜ばれている。また、昼間は市内の事務機器や文房具などを扱う店で、理解ある人たちに支援されながら仕事もさせて貰っている。そして、週末には自由に自分で買い物や旅行を楽しんでいる。

「自閉症をどうとらえるか」によって、自閉症児は様々な育てられ方をしてきたし、今も様々な療育法がある。私は、自閉症の息子の表す問題行動・パニック・学習の困難さ・人間関係の難しさ・日本社会のしきたりやエチケットの学びにくさに向き合って子育てをしてきた。その子育ての困難さの多くは、彼の認知機能の障害(悟りにくさ・理解しにくさ・判断力のなさ)に起因していると実感している。そして、発達途上にある「生半可な認知」が多くの生活の困難さを増大していると実感している。
「程度の差こそあれ私にも生半可な認知はあり、共通した苦労をして戸惑いながらいきているよ!」と、逆に励まされながら、彼の認知機能の障害に向き合い、地域の中で豊かに自由に生きて欲しいと願って、ていねいに子育てをやって生きてきた。
息子は私よりももっと困難な認知機能の障害を持ちながらも、我々と同じ人間として、生き生きと純粋に自分を生きている。私は彼に、むしろ敬意さえ抱いて、豊かに生かされてきた。

息子に障害があっても、私達との共通性はいっぱいある。私は動物好きだが、もの言わぬ動物に心を向けて観察するとき、その行動・状態・習性に私は多くを感じ取って感動し、敬愛の念を抱く。私にとって自閉症児は不透明な存在でもコミュニケーションできない存在ではない。
「自閉症の文化」があるわけではない。TEACCHの考え方は今や広まり、大いに貢献している。しかし、その弊害も広がっている。
自閉症児の療育法は確立していない。自閉症児ひとりひとりは、掛け替えのない人格をもった存在であり、そのひとりの人生に向き合うことは軽いことではない。
共に同じ時を生きている愛すべき自閉症児達のために、母として、小児科医としての私に何ができるか! そんな思いで私の子育てを中心に振り返ってみる。

実践報告集「ともに」

発達障害児(主として自閉症)家庭療育の実践報告集。
本書は当センターで療育指導をしております親子の1年に亘る実践記録を中心に、
家庭内の出来事、精神面の起伏などをレポート形式にまとめたものを私どもが監修いたしたものです。
障害のある子どもを深く見つめ、希望を持って、たゆまず日々療育を続けている親たちのレポートです。
何をどうすればよいのか具体的にわからず子育てに悩んでいらっしゃる多くの親御さんや
療育の実践に取り組んでおられる先生方のお役に立つことを願い、レポート提出者の了承を得て公にしたものです。
本当に役立つようにと心をこめて作りました。

「ともに3号」(1996年6月~1997年5月)536頁

1,500円 在庫なし

  • 2歳2カ月の幼児から高校1年生までの実践報告集。
  • 「外来セッション報告」「自閉症児の算数指導」を掲載。

「ともに4号」(1997年6月~1998年5月)531頁

1,500円

  • 河島の講演「療育者として」(1996年6月・広島)講演記録掲載。充実した内容のものとなったと自負しております。

「ともに5号」(1998年6月~1999年5月)674頁

2,000円

  • 4歳5カ月から14歳までの実践報告集。
  • 「第12回自閉症の理解を求めて」講演会(1999年8月3日)での河島の講演「自閉症児を育てる」
  • 「自閉症児の偏食について」も掲載しています。

「ともに15号」問題行動編(2008年6月~2009年5月)188頁

1,000円

  • たとえ、ひどい行動障害であっても、薬物療法に頼らず、母親がリードして、行き届いて、一貫性をもって、育児と教育に取り組む時、多くの問題を解決して前進できることをお伝えしています。問題行動を激しく現した2人の少女の実践記録。
  • 河島淳子先生による伊藤紗永さんの療育指導」を読んで 北海道教育大学旭川校教授 古川宇一
  • 自閉症児の問題行動 トモニ療育センター 河島淳子

「ともに16号」(1995年~2009年8月)就職を可能にした育児と教育 430頁

2,500円在庫残り僅か

  • YouTube翔ちゃんねる Fucoママの実践記録集

前書き(河島淳子)より抜粋

「地域の中で自由に豊かに生きていくことができるように!」「心を育てる」という何とも抽象的なテーマを言い続けてきた私です。自閉症の子どもの「学びづらさ、分かりづらさ」(認知機能の弱さ)がどんなに大変なものか。自閉症とはどんな障害なのか。周りの人の理解を得たいと思っても、親しい方々にさえ、なかなか自閉症を説明することができません。
渡部さんは、そのことを、ご自分の子育てを通して、誰にでもわかるように、具体的にレポートの中で示して下さいました。一年を振り返っては、書き続けてきたレポート集には、その時の“今”があり、先の見えない母子の姿がうかがわれます。渡部さんは、初めてトモニ療育センターの外来セッションを受けた時の事を、次のように回想しておられます。

『トモニ療育センターでの初セッション
翔太(小学1年)の加齢にともない、思春期への不安が膨らみはじめ、河島先生の講演を北条市で聴き、昨年(1995年)6月、トモニ療育センターに入会した。そして、第一回目のセッションでPEP診断テストを受け、翔太にとって、一番問題となる部分を明らかにされ、私の目が覚めた。
「機嫌さえ良ければ、テストもうまくいくだろう!」と彼の機嫌ばかり気にして、テストの結果に期待していた。それまでの取り組み方を振り返れば、当然のことだけど、彼の機嫌は最悪。遊びとテストの切り替えが出来ない。場所柄をわきまえられない。出来たものを確認してもらうことをしない。模倣はするが対応がずれている。けじめをつけられない。苦手なこと、分からないこと、やりたくないことには次第に大声になり、叫ぶ。自分にとって面白くないことはやろうとしないし、集中できない。椅子の上に寝る。机や椅子をガタガタさせる。関係のないことを口走る。それなのに自分の気に入ったことだけはさっさとする。分かっていてもわざと違うことを言う(プライド)。質問に答えようとはするが、聞かれたことだけにとどまらない。自分の思う通りにしか答えない。指示されない事までしてしまう。自分勝手な予測で行動してしまう。やり直しは受け入れない。相手にあわせる事ができない。忍耐力がない。
「機嫌さえ良ければ」という都合の良い言い訳など問題外で、今まで育ててきたつもりの能力も、社会に出たとき役立つものとして育ってはいなかった。自分勝手にしかできない彼は、このままでは、あてにならない人、誰にも相手にされない人になってしまう。いくら能力があっても、自分勝手にしか出来ない彼の能力は社会に出たとき何の役にも立たない。出来る能力も整えてやらなければマイナスになるし、その能力を使うことは出来ない。むしろ邪魔にさえなり、必要がない。彼の能力判定だけにとどまらず、異なった視点から彼を見て、今、彼に一番必要とされることは何かを指摘されたことで、私の思い上がりを打ち砕かれた思いだった。
大抵抗をしている翔太。それに動じること無く、変わらぬ口調で淡々とテストを続けていく高橋知惠子先生。その二人の様子を側面から口出しも出来ず、じっと見守る私に、翔太の能力的なことは除外視して、彼の態度についてのみ指摘される河島先生。随分きつい診断テストだったが、この日の事は私には忘れることができない。
今までに何度か受けた判定テストは、翔太の能力面の評価だけにとどまっていた事が多かった。彼のできる部分だけを取り上げて、「大丈夫ですよ。」と言ってもらった事でほっとし、私もそう言ってもらうのを待っていた。けれども、本当のところは、何が大丈夫なのか漠然としていて、不安は取れず、もっといろんな人に「大丈夫ですよ。」と言ってもらうことを求め続けていたように思う。このように、親を不安にさせないようにと、親が安堵するような助言ばかり与えてもらっていたのに比して、この日のトモニ療育センターでのセッションは、なんと深い思い、愛情のあるセッションだったことだろう。 「河島先生の厳しさについていけるかしら。」と言っていた私は、自分が大きな勘違いをしていた事にも気づかされた。私は、自分自身を防衛していただけ。自分の弱さを見つけられるのが怖かっただけ。私は、彼の弱い部分を見ようとしなかったのと同様に、自分自身の弱さも見たくはなかったのだろうと思う。PEPで思いきり崩れてしまって、すっきりした。診断テストを受けたのは翔大だったけれど、本当は、診断を受けたのは私で、降参したのも私だったのだ。大きなショックを受けながらも、翔太のことを本当に理解する目を持つことへの第一歩を踏み出させていただいた。
「いい子ね。可愛いいわ。」とおっしゃる河島先生の言葉に、慰めではなく、彼の本当の姿を見ていてくださる深い愛情を感じ、感謝している。
それからは、翔太の抵抗との戦いになった。「出来ないから」「分からないだろうから」と言って避けてきた事、中途半端に取り組んでいただけの事に、徹底して取り組み始めた。彼は大騒ぎの抵抗をしたが、やらせた事で出来るようになった時には、彼の満面の笑みを見ることが出来た。』

トモニ療育センターを開設して16年が経過しました。毎年母親による実践レポートが提出されます。「ともに2号、3号、4号、5号」を製本して世に出しました。そして昨年、10年ぶりに「ともに15号その1」問題行動篇を製本し、たとえ、ひどい行動障害であっても、薬物療法に頼らず、母親がリードして、行き届いて、一貫性をもって、育児と教育に取り組む時、多くの問題を解決して前進できることをお伝えしました。 今回は、それまでの子育ての軌道修正をしながら、就労にまで導いていかれた渡部さんの育児と教育の全てをご紹介します。本当の支援とは、どういうものでしょう。私の講演や講義ではお伝えすることができなかったものをくみ取っていただければ有難いです。
自閉症の子どもには、行き届いた教育が必要です。自閉症という分かりにくい障害について、教育の可能性について、周りの方々の深い理解と共感が得られれば、こんなに嬉しいことはありません。この貴重な記録を快く世に出す機会を与えてくださったことに心から感謝いたします。

2010年6月30日

「ともに30号 机上学習」2024年3月

「トモニの実践」をお求めいただいた方に謹呈しております。

「ともに30号 机上学習」に掲載した報告書は、俣野勇士郎先生が、特別支援学級において、河島教材を活用して実践された報告書です。多くの方々にご紹介したく冊子に致しました。

  • 「小学校特別支援学級におけるトモニ療育センター河島教材を活用した指導の実践」支援学級教諭による教育実践レポート。
  • 「最高に質の高い教育を求め続けて」8頁 トモニ療育センター高橋知惠子

前書きより

「ともに 30 号」執筆にあたって

私は2023年(令和5年)現在、8年目の特別支援学校教員です。現在まで肢体不自由特別支援学校(高等部)を1校、知的障害特別支援学校(小学部)を2校、小学校(知的障害特別支援学級)を1校経験してきました。8年間の教員生活の中では、色々な子どもや保護者の方との出会いがありました。どの子どももとても可愛らしく、その特性は十人十色です。一方でどの子どもも「悟りにくさ」や「学びにくさ」といった課題をもっていること、そこから泣きや癇癪といった「ことばの前のことば」を発していることを強く感じました。そしてそれが、「根深い劣等感」に繋がり、学習に参加できなかったり、登校できなかったりしている子どもにも出会ってきました。
そのような子どもたち一人一人に応じた指導・支援をするために、私は応用行動分析(ABA)や感覚統合理論をはじめとする考え方を学び、実践してきました。トモニ療育センター河島教材は2017年(平成29年)、私が教員2年目の時に出会い実践し続けてきた教材の1つです。子どもたちが「いい顔」をして学校生活を過ごす姿をイメージして真剣に向き合い、諦めず、限界値を決めずに指導をすることを続けてきました。私の思う「いい顔」は、笑顔だけではありません。彼らが悟って学び始めるときの顔、「できるんだ!」と得意気な顔、時に悔しいと涙する顔、怒りながらも折り合いを付ける顔等、子どもが自分と向き合い、自分で行動しようとするときの顔です。そのような顔を見ると、「いい顔をしてますね。」と子どもや保護者に伝えています。

今回掲載する原稿は、2022年(令和4年)11月に発行された「小学校特別支援学級におけるトモニ療育センター河島教材を活用した指導の実践」の完全版として、今までにトモニ療育センターに報告した実践を学校関係の方以外が読んでも読みやすいように再校正したものです。河島教材を使うにあたり、学習指導要領に根ざした「教科書」と個別課題学習(対面学習)の教材である河島教材をどのように結びつけていけばよいか検討を重ね、特別支援学級という小集団の中で指導した手順や、子どものエピソードを掲載しています。
家でのきまりや校則、法律等、私たちが生きる社会にはたくさんの「ルール」があります。そのルールを守ることで、私たちの自由は成り立ちます。それは障害があろうがなかろうが変わりません。また、ルールをなぜ守る必要があるのかを考えると、人と適切に関わるため(社会性)であると思います。私たちも彼らも思いを伝える、援助を受ける、家族のために働く、感謝される等、人と様々な形で関わりながら生活しています。ただ、人と適切に関わるためには読み・書き・計算といった基礎学習の力が必要です。文字が理解できれば、相手の指示や思いを汲むことができますし、数や量が理解できれば料理をはじめとする実生活に役立ちます。私は特別支援教育の全ての根幹は、「基礎学習」だと思っています。基礎学習の体勢や力をつけることで、彼らは分かる喜びや役立つ喜びを知り、ルールを守り、生き生きと生活することができます。その基礎学習の力を身に付けるために、河島教材は子どもたちとの「架け橋」になるものだと、子どもたちの姿から強く思っています。
河島教材を用いた系統的かつ継続的な指導を続けた結果、子どもたちが自由に生き生きと、自分のことは自分で(当たり前のように)取り組み、学ぶことを喜ぶ姿が見られるようになってきました。子どもたちが「学びの土台」に立った姿や、土台から加速的にスタートを切って駆けだした姿、そして私が河島教材を「架け橋」として子どもと繋がることのできたエピソードを読んでいただけると嬉しいです。
全ての子どもが学ぶ力をもっています。「癇癪があるからできない」ことも、「障害が重いからできない」ことも決してありません。拙い実践ではありますが、学校教育の視点から河島教材を用いた指導を行った具体的な事例として、子どもたちと「ともに」学んできた姿が特別支援教育に携わる先生方や療育関係者、そして家庭療育に尽力されている保護者の方の参考になりますと幸いです。

2024年3月
岡山県立倉敷まきび支援学校教諭
俣野 勇士郎

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ド)ハッタツシエントモニ 代表社員堀内宏美

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